漫画『美味しんぼ』で、最もキャラが変わったと言われるのが、美食倶楽部主宰の海原雄山だ。当初は食のこだわりが強すぎるがゆえに暴走することも多く、息子の山岡士郎と対立していたが、徐々に器の大きい人物として描かれ、最終盤で和解し、孫に顔を叩かれるまでになる。
そんな雄山だが、人々の印象に残っているのは食にこだわり、他人を罵倒することも厭わない姿勢だと聞く。そこで今回はそんな初期雄山のこだわりが強すぎるがゆえ、読者を震え上がらせた行動を検証しよう。
■女将を呼べ
『美味しんぼ』1巻
海原雄山が発した台詞のなかで、最も読者を震え上がらせたといわれるのがこのフレーズだ。
自社の社員である山岡との仲直りを目論む東西新聞社大原社主から料亭に招待された雄山は、吸い物を口に入れると「女将を呼べ!」と激怒。さらに魚の煮物を食べると、お膳から手で振り落とし、「何だこの店は! 人を招いてこんなものを食わせるとは」「ここの料理人は出汁のとり方も知らんのか」「魚の煮物もそうだ、煮物ダシがまるでなっとらん。作り直してこい」と当たり散らす。
その後、何度も何度も女将に「作り直し」を要求する雄山。大原社主も「作り直しをさせて恥をかかせている」と不快感を示す。そんな雄山だったが、最後に出てきた吸い物を味わうと突然、味を絶賛する。
味の変化に驚き調理場に板前を確認しに行くと、そこには大原社主に招かれていた山岡の姿が。雄山は味を絶賛したことを忘れ、士郎を「素人料理を客に出す軽薄な男」と罵倒し、大原社主に美食倶楽部の退会を通告した。(『美味しんぼ』1巻より)
■このあらいを作ったのは誰だ
自らが主宰する美食倶楽部で、岡星良三の作った料理を食べた雄山は、怒りに震えながら廊下をドスドスと歩く。
そして調理場に入ると「このあらいを作ったのは誰だ!」と激怒。良三が名乗り出ると、「貴様はクビだ。出てけ!」と非情な宣告をする。主任の中川が翻意を促すが、「腕の善し悪し以前の問題だ。こいつには料理をする資格がない。出てけ」と断罪し、良三を追い出してしまった。
この後、山岡や京極の取りなしで美食倶楽部に戻る良三だが、理由も告げられず、わけがわからないまま一時職場を追われてしまうことになり、同情する読者が相次いだ。そしてアニメでも同じ場面が放送され、「この○○を作ったのは誰だ!」というフレーズが、各方面で使われることになった。
良三が「料理をする資格がない」と断罪されて追い出されてしまった理由は、調理中に緊張をほぐすためタバコを吸ったこと。山岡も料亭「岡星」で料理を食べると「海原雄山の言う通りだ。あんたには料理をする資格はない」「タバコを吸うなら料理人を辞めたほうがいい」と斬っている。(『美味しんぼ』第4巻より)
■味覚音痴のアメリカ人の食べるあの忌まわしいハンバーガー
美食倶楽部の料理人宇田に、「退職してハンバーガーショップを開店する」と告げられた雄山。
「お前は才能があるから美食の真髄を究めることのできる料理人になれると見込んでいたのに」「そのお前が味覚音痴のアメリカ人の食べるあの忌まわしいハンバーガーを!」とハンバーガーと宇田を罵倒する。
そんな雄山だが、宇田のハンバーガーショップを訪れる優しさを見せ、山岡と鉢合わせる。「ハンバーガーみたいな下衆な食べ物は士郎とよい取り合わせだわ」とまたも罵倒し、出されたハンバーガーも「私にはこんな下卑た食べ物の食べ方はわからん」とバッサリ。そして「こんなハンバーガーは売り物にならん」と斬り捨てた。
反目し合う雄山と山岡だが、宇田のハンバーガーには両者ともにダメ出しをする。そして山岡のヒントを得て宇田はハンバーガーを作り直し、中川の取りなしで、雄山に昼食に食べてもらう。
そのハンバーガーを食べた雄山は味を絶賛したあと、「アメリカ人好みの浅ましい食べ物だ」と再び斬る。そして「見ろ、手が汚れてしまった。中川、二度とこんな物を食卓に出すな」と激怒した。
ハンバーガーを異常なほど罵倒した雄山だが、宇田が美食倶楽部で漬けたピクルスを贈る優しさを見せる。雄山の優しさを受けた宇田と中川は、心遣いに涙するのだった。(『美味しんぼ』9巻より)
■冷やし中華はクズ料理
東西新聞家庭部の女性記者が冷やし中華について大発飯店の張料理長を通し、「食通のサカキバラなんとか」にインタビューすることになり、文化部の山岡と栗田も同席することになった。
その「サカキバラ」は海原雄山。名前を間違えられた雄山は取材の内容が冷やし中華であることを告げられると、「張さんの顔を立てて来てやれば冷やし中華だと? あんなものは中華料理なんかじゃない」と激怒する。
そして「冷やし中華のことをこの海原雄山に聞くなど失礼千万。そんなクズ料理のことが聞きたかったら、そこにいる与太者に尋ねるがいい」と冷やし中華を全否定。山岡が「そこまでいうからには食べたことがあるのか?」と応戦すると、「あんな下等なもの食べてみなければクズかそうではないか、わからぬというなら、食べ物について云々する資格はないわ」と啖呵を切った。
そこから親子喧嘩が始まり、山岡が雄山に冷やし中華を食べさせることに。雄山は山岡が作った冷やし中華を食べると全否定し、自分で冷やし中華を作ってみせる。それは山岡とは比べ物にならないほど美味しいものだった。
「冷やし中華はクズ料理」と断言した雄山だが、「冷やし中華を新しい中華料理として認める可能性があることを確かめられたことは収穫だった」と話す。そしてテレビ番組で「冷やし中華も作り方によっては立派な中華料理になる」と「クズ料理」発言を撤回した。
文化部のメンバーは「味比べには負けたけど中華料理を認めさせたので山岡さんの勝ち」と慰めたのだった。(『美味しんぼ』8巻より)
■心の底にある優しさ
刺激的な言動や態度が続いた初期の海原雄山。少々怖い気もするが、ハンバーガーのエピソードにもあるように、食に厳しく態度や言動も刺激的だが、心の底で優しさ持っている。そんな優しさを読者が知っているからこそ、初期の「暴言エピソード」も人々に受け入れられているのかもしれない。
中盤から作者の思想ばかり前に出て途端に胡散臭くなった。
今同じことやったらネットで叩かれまくって謝罪するはめになるぞ。
雄山のモデルの魯山人に元となるエピソードがあったんだよなあ
山岡さんの鮎はカスや
子牛音頭
山岡さんのおち〇ちんより気持ちいい!
これがない!やり直し!
奥さんのほうじ茶が大好きな甘えんぼなんですよ